希望という名のきみへ
白夜は金髪の厳つい顔をした大男だった。
見た目は、そう……、四十歳くらい。
泉で見た、どんな新人類の男達より、彼は歳をとっていた。
そして身体には無数の傷跡。
彼がいくつもの危険を潜り抜け、今ここに生きているのだということがわかった。
髭で覆われた口元が大きく揺れた。
彼は掠れた低い声で、わたしにこれまで泉に起きた出来事の顛末を尋ねた。
大地やほかの子供達の話は一貫性が無く、どれも恐怖に裏打ちされた状況説明に過ぎなかったから。
だが、わたしとて同じだった。
朝、目覚めたらミテラの襲撃が始まっていたのだ。
わたしを見据えた彼の目は、青く澄んでいた。
白夜は、大きく溜息をつくと静かに話し始めた。