先輩彼女
『俺あんな美人が彼女だったら他いらねーけどなぁ。』
「いくら美人でも飽きるんじゃねーの?」
『マリさんも男なんていくらでも選べるはずなのにな。あんなに泣かされる男なんてやめりゃいーのに。』
「ダメな男ほどハマるんだろ。」
バカな女なんだと思った。
それがマリへの第一印象。
それから何日か過ぎたある日、カズは授業をサボって1人で屋上に行こうとしていた。
階段を登り掛けた時、後ろから声がした。
『よっ!久しぶり』
2年のヒロだ。
カズの地元の先輩でオシャレな男前。
中学の頃から何かと面倒を見てくれるいい先輩だった。
今はジンといつも一緒にいる。
「お久しぶりっす!何してんすか?」
『ちょっと屋上行こうかと思って。お前も?』
「はい、眠くて。」
『ふーん。お前まだ知らないのか』
「え?」
『屋上は俺らの溜まり場なんだよ。』
「そうなんっすか。知らなかった。」
『まぁお前だったらいいや。来いよ。』
そう言ってヒロとカズは話をしながら階段を上がっていった。