神は あたしを許さない。
「おい、いい加減起きろ」
姫さんの寝顔は可愛いけどよ
いい加減時間なっちまうよ。
「・・・んーん・・・華夜ァ?」
「華陽だ。間違えんな」
俺は、自分の独特な声を響かせる。
自分の声が冷たい事なんて、とっくの昔から知ってるよ。
この声のおかげで良い事もいっぱいあったしな。
「は、なひ・・・」
ガバッと飛び起きる姫さんは、
少しも怖そうな表情を見せず
むしろ・・・
「えへ、あたしそんな寝ちゃったかぁ」
やわらかく微笑んだ。
その微笑みは、あいつとは明らかに違うもので・・・
俺は、全てが同じ人間は存在しないんだと
思い知らされた。