×真夏の[変態]恋伝奇×
俺たちが住むこの町は、緑溢れる自然の世界、まあ簡単に言えば田舎っていうやつ。
周りは田畑、田畑、田畑、田畑、それから林、林、林、林、ときどき民家。
家から近くの商店までは1.5kmほど、コンビニまではさらに1kmという具合だ。
そもそもことの始まりは、そのコンビニだった。
この耐えられない暑さに、寺島がアイスを買いに行こうと言い出したのだ。
「CMで見たやつがめっちゃ旨そうなんだよ。な、な、行こうぜ、食べたくないか?田舎と言えど、やっぱトレンドには敏感じゃないとな」
商店にあるいつものアイスじゃ物足りなくなったらしく、2.5km先のコンビニにこだわった。
…のくせに、800メートルも歩かないうちに真っ先にギブ。
もう歩けないとかなんとか言って、小道の脇にあるこの木陰の下にしゃがみこんだのだ。
そうして、現在に至る。