×真夏の[変態]恋伝奇×
「俺は風流なんかどうでもいいからさー。もっとインパクトのあるやつがいいなあ」
草むらに大の字に寝転んで、寺島はそう言った。
岡部が首を傾げる。
「…インパクト?何それ」
「だってさ、せっかくの夏休みじゃん!もっとこう、ハッピー!みたいな。めちゃくちゃハッピー!みたいな」
「はっぴぃ?」
「英語くらいカタカナで言えよ橋本ー。だからさ、たとえば…めちゃくちゃ美人に告られる!とか!どうだ、ハッピーだろ」
岡部が呆れ顔になる。
俺もなってたと思う。
やっぱり寺島の言うことなんてまともに聞くもんじゃない。
がっかりだ。