×真夏の[変態]恋伝奇×
「でも、ああいう上品なオーラってなんかかっこいいよね。僕らがいくら頑張ってもあのオーラはでないよ」
岡部もわりと乗り気だ。
気をよくした寺島が興奮気味に言う。
「だろー。さすが岡部、話がわかるな。橋本、お前はどう」
「どうって…まあ、それはわからなくはないけど。けどよ。お前があの魚住さんに告られるなんて、まずないぞ。宝くじ当選みたいなもんだぞ」
「えー、そうか?」
「うん、僕もそう思う。ああいう人って、きっと今までにも彼氏いたと思うよ。スマートな都会人の彼氏がさ」
そんな都会美女が、土臭い田舎もんを相手にするはずがない。
おまけに、真夏にこんなむさ苦しいやつのことなんか。
寺島がつまらなさそうに口を尖らした。
「ちぇー。寂しい現実突き付けんなよー。つーか宝くじくらい否定してくれ、岡部」
岡部が肩をすくめ俺を見た。
二人揃って苦笑する。