×真夏の[変態]恋伝奇×



そして今日、金曜日。

世間でいう華金だ。

それに合わせて明日から夏休みという、ワンダフルデイに届いたのは。



「昆野くんからメールだ!」


明日からの夏休みに向けて、気合いのネイルをしていた時だ。

彼だけ西カナの着信音に変えてるからすぐにわかる。


あたしは乾いていない爪に気を付けながら、ストラップを大量につけた重いケータイを開いた。



『明日って暇?』



…お誘いキターー!



『あいてるよ!』



あ、興奮してハートの絵文字をつけ忘れた。

いや、今はそんなことどうだっていい。


だってだって…

昆野くんと初デートじゃん!


「やっば、何着ていこう。可愛いワンピあったっけな」


しばらく、というか昆野くんと出会ってから彼氏なんていなかったから、デート用の服を引っ張り出すのは久しぶり。


あたしは手が使えないので、足の指で器用にタンスをあさった。


西カナが鳴る。


光の速さでケータイに手を伸ばす





< 4 / 78 >

この作品をシェア

pagetop