×真夏の[変態]恋伝奇×
そして今日、金曜日。
世間でいう華金だ。
それに合わせて明日から夏休みという、ワンダフルデイに届いたのは。
「昆野くんからメールだ!」
明日からの夏休みに向けて、気合いのネイルをしていた時だ。
彼だけ西カナの着信音に変えてるからすぐにわかる。
あたしは乾いていない爪に気を付けながら、ストラップを大量につけた重いケータイを開いた。
『明日って暇?』
…お誘いキターー!
『あいてるよ!』
あ、興奮してハートの絵文字をつけ忘れた。
いや、今はそんなことどうだっていい。
だってだって…
昆野くんと初デートじゃん!
「やっば、何着ていこう。可愛いワンピあったっけな」
しばらく、というか昆野くんと出会ってから彼氏なんていなかったから、デート用の服を引っ張り出すのは久しぶり。
あたしは手が使えないので、足の指で器用にタンスをあさった。
西カナが鳴る。
光の速さでケータイに手を伸ばす