×真夏の[変態]恋伝奇×
「えっ、ちょっ、こっちくるよ」
岡部がひそひそと俺に耳打ちする。
これは相当慌てている。
ちなみに俺も、寺島もだ。
三人でどぎまぎしながら、赤いビキニが近づいてくるのを待った。
そして、目の前に魚住さんの白い肌がやって来た。
「この魚なんだけどね。とったのはいいんだけど、私、名前とか種類とかよくわからなくって」
うわ…
すげえ、でかい。
遠くで見るより、これははるかにでかいぞ。
…C、いやDってとこだ。
「なかなか大きい魚だねえ。…あ。確か寺島が魚の名前とか詳しかったっけ。ね、寺島」
「えっ、そうなの、寺島くん」
岡部がわざとらしいサインを送りながら、寺島にチャンスを与えた。
寺島はどうやら俺と同じく、でかい魚ではなくでかい胸に釘付けになっていたようで、急に振られて焦っていた。