×真夏の[変態]恋伝奇×




「…なんか、魚住さんがそういう感じだとは思わなかったな。ちょっとびっくり」



あまりにイメージと違いすぎて、若干混乱しているわけだ。

たぶん、俺たち三人とも皆。


彼女が俺に笑いかける。


「私ね、ずっと自然が少ないとこで育ってきたから、こういう山とか川とか林とかにすごく憧れてたんだ」


「へえ」


「だからここに越してきて、今まで出来なかったこと、全部やってみたくなったの。今日の魚もそうだし、今度は山登りしてみたいな。実は木陰で休憩っていうのも憧れだったんだ」


濡れた前髪をかきわける。

伏し目がちで、なんだか色っぽい。


寺島が、さっきからずっと胸元を眺めているのが腹立たしい。


赤いビキニは立ち上がった。




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