×真夏の[変態]恋伝奇×
それはある夏の日のことだ。
俺はいつものように店番をしていた。
客足の少ない時間だった。
確か午後二時頃だったと思う。
要は太陽がぎらぎらと照りつけるような、一日で最も暑い時間だった。
そこそこ活気のあるこの商店街の通りを歩く人も、今はまばらだ。
ときどきつばの広い帽子をかぶったおばちゃんが、ババチャリで通り過ぎるくらい。
誰もこんな暑い時間に買い物なんか来ないのだ。
体力の衰えたマダムたちは、きっと今頃エアコンの効いた室内で昼ドラでも観ている。
俺は暇だった。