×真夏の[変態]恋伝奇×
俺の家は、八百屋をしている。
この商店街の中で唯一の八百屋だ。
俺のじいちゃんが一代目で、じいちゃんが死んだら親父が二代目になった。
じいちゃんも親父も、客商売が得意というか向いてるというか何というか、とりあえず店は上手くいっていた。
が
この夏、何をしたのか親父が腰を痛めた。
ぎっくり腰、ってやつだ。
とにかく店に出れたもんじゃなかった。
そのため、ちょうど帰省していた大学生の俺に、店主の役が回ってきたという訳だ。
始めてみてわかったことは、商売というものは楽じゃないということ。
客との会話にしても、なかなか簡単なものじゃない。
適当にやっているように見えて、親父たちはうまく商売していたのだ。
ちょっとすげえと思った。
まあ俺は持ち前の明るさで何とかやっているし、おばちゃんは若い男が好きだからから何かと可愛がってくれるし、悪い気はしない。
うまくやっている。
だけど重労働で大変だ。