×真夏の[変態]恋伝奇×
そんな俺にも、とっておきの癒しタイムがある。
それは午後二時半ちょっと前にやってくる、憧れの女神タイムだ。
この疲れ切った肉体と精神を魔法のように回復させ、精力を与えてくれる。
俺は彼女を女神と呼んでいる。
時計を見る
そろそろだ。
「こんにちは」
よく通る彼女の声はすぐにわかる
マダムたちと違って、濁りのない涼しげな美声なのだ(全国のマダムたち、すみません)。
俺がすかさず店先に出ると、ちょうど日傘をたたむ彼女の姿があった。
「いらっしゃい、洋子さん」
白のレースがついた日傘を片手に、女神は微笑んだ。