×真夏の[変態]恋伝奇×



これは噂で聞いたことだが、どうやら洋子さんは、隣街ではなかなか名の知れた会社の社長夫人らしい。


その社長というのは、確かもう五十は過ぎている。


まああれだ

金のある男が若い美人な嫁を見つけた、といったよくある話だ。



夫の方は、話を聞いただけでもどうにも好きになれないが、洋子さんは違う。

社長夫人でありつつも、どこか馴染みやすい雰囲気があるのだ。


もちろん仕草や着るものは常に上品だから、またそこがいいのだけれど。



…とにかく。


毎日豪快なマダムたちを相手にしている俺にとって、洋子さんはまさに女神。


癒しの女神なのである。




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