×真夏の[変態]恋伝奇×
好きというのには二種類ある。
異性として好き、と
人として好き。
ちゃんと考えたら、それがどちらの意味なのかわかる。
けれど、瞬間的に勘違いしてしまったのは、やはり俺が今をときめく青年だからだろう。
「何を言ってるんですか、もう」
またまた平然を装った。
ここで真っ赤になるほど、俺は可愛い年ごろじゃない。
さりげなく、洋子さんから目をそらした。
「だって、本当のことだもの。嘘じゃないわ」
洋子さんが俺の顔を覗き込んできた。
だから俺は、そんな洋子さんを見るしかなかった。
せっかく上手く目をそらしたのに。
それなりに近い距離で、洋子さんの大きな瞳にとらえられた。
長いまつげがこちらにのびてきて、俺の目ん玉を縛り付けた。
俺の目ん玉は動かなかった。
見とれた。
……………可愛い。