×真夏の[変態]恋伝奇×




「ご、ごごごごじゅうーー!?」



50って、五十歳!?

洋子さんが!?



「やだ、トオルくん。そんな大きな声で言わないでよー」


洋子さんが俺の肩を冗談っぽく叩く。

俺はあまりの衝撃に、瞬きすら忘れていた。


「ちょ、待って下さい。本当に、洋子さん五十歳なんですか!?」


「ええ、そうよ。…あ、もしかしてもっと若く見えた?」


俺は激しくうなずいた。

その様子を見て、洋子さんが満足そうに笑う。


「やだ、嬉しい。トオルくんにそんなこと言ってもらえるなんて」


「だって…肌とかめちゃくちゃきれいじゃないですか。皺だってほとんどないし」


洋子さんの肌には、まだまだハリがある。

とても五十歳を迎えるという肌ではない。


すると洋子さんが気をよくしたのか、ないしょ話をするように俺の耳元でささやいた。



「そんなの簡単よ。ちょーっぴり、ヒアルロン酸注入すればね」



…ひあるろん、さん。




< 62 / 78 >

この作品をシェア

pagetop