×真夏の[変態]恋伝奇×
「和也、あんたいくら究極のナルシストだからって、人に迷惑をかけるのはやめなさい」
あたしはベッドに腰掛け、バスタオルを巻く和也を睨んだ。
和也は平気な顔して笑う。
「あれ、いつ俺が迷惑かけた?」
「…たった今」
「俺はシャワーと全身鏡借りてるだけだろ」
夏の日常だ。
あたしが夏休みの補修で学校へ行っている間に、こいつはうちのシャワーで涼み、全身鏡で自分を堪能する。
そして帰ってくればこの有様、まったく迷惑な話だ。
「あのね。見たくもない不快なあんたの全裸、ほぼ毎日見せられるあたしはどうなわけ」
「はー!?奈帆、てっめえ俺のこの肉体美を不快だって?目ぇ腐ってんじゃねえか」
和也がモデルポーズをキメる
世間で言うドヤ顔というのは、きっとこういう顔のことを言うんだろう。
だがそれが妙にサマになってしまうのは、悔しくも感心する。