×真夏の[変態]恋伝奇×
「俺?んー…別にいてもいいけど、たぶん扱いが雑になっちゃうだろうな」
クーラーの下で気持ちよさそうに欠伸をひとつ。
バスタオルが取れそうな程、大股開いて横たわっている。
あたしはポーチからアイブロウを取り出した。
ケイトのアイブロウペンシル。
愛用歴は、長い。
「それでも、作れば。あんたいい加減やばい路線になってきてるよ。このままじゃ、マジで一生独身じゃん」
「いーんだよ。もう俺は俺しか愛せない。女なんて今更興味ないし。奈帆みたいな、気楽に付き合える女だけで十分」
覗き込んだ三面鏡に、呑気に天井を見上げる和也が映った。
アイブロウを握りしめる
人の気も知らないで、こいつは
「…あたしは、他人を愛して、初めて自分を愛せると思うよ。今よりももっと、自分が好きになれる」