ガーネットとシトリン
Ⅰ
私が一番に思ったこと、
それは、痛いという感情。
頭も、体も、
痛くてたまらなかった。
目を開けようとする。
でも、あまりに開いた先が眩しすぎて、
目がぼやけた。
どんどん視界が回復していく。
ゆっくりと見えてくるのは、見覚えのない白い天井。
そして、私をのぞき込んでいる、一人の男性だった。
「あ……起きた……!? よかった……!」
私の肌に何かが付いた。
なま暖かい液体……ってことは涙なのだろうか。
それにしても、この人は誰なんだろう。
どうして私はここにいるんだろう。
場所が分からなくて、周りを見ようとしたけど、首が痛くて動かせない。
「待ってろ! すぐに医者呼んでくる!」
彼は私の返事も聞かずに、どこかへ行ってしまった。
天井をボーっと見つめる。
白く、何もない。
ここは、病院なのだろうか……。