明日天気になぁれ
「あぁ、すんませんね」
わざとらしい声で
にやっと笑ったナルシくんが姿を現した。
手には同じパンの袋。
また同じものを買ってきたらしい。
(↑そんなにそのパン好きなのかよ!)
視線をあげると、
あのバカにしたような視線とぶつかる。
無口そうに見える雰囲気も、
…気付けばただの腹黒男。
「はぁあ?なんじゃ、その目は」
「文句あんのか、猿女」
「なんやと?反省してんのか、ナルシ野郎」
「あ?お前、いい度胸してんじゃねえか」
口を開く度、
しょうもない口げんかが始まる。
すると秋山ナルシくんは、急にいいことを思いついたようににぃーっと笑った。
この顔、キケン。
こやつとこれ以上絡むとキケンだと、
本能的に察知してしまう。
「あ、お、お、お腹減ったなぁ~。ちょっと食べてこよーっと」
何気なく立ち去ろうとしたゆいの手首を、
秋山くんは何気なく掴んだ。
「お前…俺に貸しあるんじゃなかったっけ?」