天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
袁 窮奇がジュリエットってどゆこと?
あんぐり。

舞台上の役者達が、観客が、最前列の天神学園セレブさえも。

開いた口が塞がらないといった様子で、ステージを何食わぬ顔で軽やかに歩く風紀委員長殿を見る。

「聞く所によると、一度は我にもお誘いが来る予定だったらしいじゃない。何で取りやめになったの?ねぇ」

口角をつり上げて。

「ねぇ、演劇部の部長サン?」

黒い笑みを湛えた風紀を乱す風紀委員長は部長を見る。

「はひっ、ひやっ、そりっ、それはっ、そなっ、そにっ、そのっ…」

ブラックジュリエットに見据えられて恐れおののく町民C。

こうして『本当は怖いロミオとジュリエット』の幕は上がった。

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