天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
「いやぁ、演劇なんて幼少の頃のお遊戯会以来だなぁ…衆目に晒されながらのプレイなんて、何だかドキドキしちゃうよねぇ」

(プレイって言うなっっっ!)

激しく心でツッコむロミオ。

それに窮奇は気づいたのか。

「ろぉぉぉぉみおぉぉぉぉぉ…」

まるで悪魔にとり憑かれた少女のように。

彼の…いや今はジュリエットだから彼女の…首がグリリと遥の方を向く。

関節はどうなっているのだろうと心配になる可動域だ。

「ロミオぉ」

しっかりと向き直り、窮奇ジュリエットは両手を胸の前で握り締める。

うるんっ、と潤む瞳。

(あれっ…)

その変化に、遥がドキリとする。

(窮奇、あれっ、ちょっ、割と演技派じゃねっ?あれっ?)

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