天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
(俺のせいじゃないもんっ!だって窮奇がっ、窮奇がぁあぁぁ!うぇっ、うぇええぇえ!)

兄弟喧嘩の果てに親に叱られ、言い訳する子供のように心の中で泣きじゃくる遥。

しかし救いの手は差し伸べられず。

てか窮奇相手じゃ、並の生徒じゃ助けられねぇし。

『ごめん皇帝、死んで』てな雰囲気で。

観客は誰も立ち上がろうとしない。

舞台で気絶したふりしている演劇部員も、薄目で見てはいるものの、遥と目が合いそうになると。

「っっっ…」

慌てて気絶したふりを続行する。

(嗚呼…)

もう八方ふさがりだ。

にっちもさっちもいかねぇよ。

悟りを開いたように、遥は目を閉じた。

その頬に、一筋の涙が零れ落ちる…。

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