天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
「いい覚悟だね」

窮奇が好色に満ちた笑みで近づいてくる。

「素直な子は、我、嫌いじゃないなぁ」

レロォッと舌を出す18禁な風紀委員長様。

書いてて楽しいよ、あんた。

(せめて…)

辞世の句を詠むように。

遥は心の中で呟く。

(せめてハジメテは、愛する人に捧げたかったっ…!)

窮奇の毒牙が遥に触れようとした、まさにその時!

「ぃぃぃいぃいぃいいぃ加減にせんかぁああぁあぁあぁっ!」

バンッ!という体育館の扉を開ける音。

それと共に、暗い体育館に一筋の光明が差し込んだ。

「窮奇、貴様…」

その救世主…左右のシニヨンにチャイナドレスの女教師は、憤怒の形相で舞台上のブラックジュリエットを睨みつける。

「風紀委員長としての自覚は皆無のようだな…!」

「おやおや…」

ニヤリと笑う窮奇。

「龍娘先生、風邪はもういいのかい?」

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