天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
「…………」

こんなの、窮奇の策略に決まっている。

そう思いつつも、龍娘はつい思考を巡らせてしまう。

(『あの事』とは何だ?思い当たる節はないのだが…人前で語られて恥じる事など何も…いや…待て…)

龍娘の頬が微かに赤く染まる。

(ま、まさか…『校舎半壊事件』の時に、十年間留年している幽霊の男子生徒に、あああああ愛の告白をされた事かっ?ばばばばばばば馬鹿なアレは窮奇が知っている筈がない!でもっ、でもっ、もしかしたらどこかで隠れて聞いていたのかもっ、やんっ)

と、そこまで考えて若干乙女化して。

(いやっ、待って待って待って!もしかしたら!)

彼女は別の事を思い出す。

(もしかしたら、この前の学園裏庭に呼び出された時の事かなっ…風紀委員達の策略にまんまと騙された…えっと…『生徒指導教師と窮奇、裏庭でどっきゅんこ☆窮奇の乙男化目撃しちゃおう大作戦ッ』だったかなっ…やだっ、恥ずかしいっ、あんな見え透いた罠にかかっちゃうなんてっ!)

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