天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
しかし、どこをどう歩けばステージ裏手から出てこれるのか。

関係者以外立ち入り禁止だろうに。

今も今で、何故か美葉は防火扉を通過して、校舎の非常階段を昇っている。

「っかしいな…何でこんなとこ出ちゃうんだろう」

はてな?と首を傾げる美葉。

手には、おんこに貰ったパンフレットを握り締めている。

地図を見ながらでも、このダイナミック方向音痴ぶりである。

「どうやったらクラスの出し物に行けるんだろう…難しいなぁ…」

何が難しいのか。

それはアンニュイな溜息をつく美葉にしかわからない事だった。

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