天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
音さえ立てずにオムライスの皿を遥の前に置き。

「ごゆっくりどうぞ」

立ち去ろうとしたアリスカを。

「待て」

遥は呼び止める。

「ケチャップでオムライスに俺の名前でも書いてもらおうか。そうだな…『お疲れ様です皇帝陛下』とでも」

なんか微妙にキャラが違う。

若干俺様気取りな遥。

「くっ…!」

相当頭に来るが、今のアリスカはメイドだ。

ここは耐え忍ぶしかない。

ケチャップの容器を手にして、出来立てのオムライスに文字を書く。

「お疲れ…様…です…皇帝…」

『陛』の字が難しい。

思わずケチャップの容器を持つ手に力が入ってしまう。

その拍子に。

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