天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
最後には。

「二十億!」

白髪の紳士の声で、遂に石油王が沈黙した。

「二十億、二十億です。他にいらっしゃいませんか?」

芽々の言葉にも、誰も口を開く者はいない。

…静かに目を閉じる芽々。

彼女は。

「妹を…よろしくお願いします」

周囲に聞こえないように小さく呟いた後。

「それでは、二十億円で落札と致します」

声高らかに宣言した。

どよめきと拍手が巻き起こる。

凄いオークションだった。

「二十億なんて金額が出るなんてな…」

ラビが溜息をつく。

「一体あの紳士は何者なんだろうねっ」

おんこも驚きを隠せない。

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