天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
大統領ときたもんだ。

そりゃあ防弾ガラスの仕切りも準備される訳である。

本日最大級の驚愕に、おんこもラビも声が出ない。

ロシアの油田を持っている生まれながらの金持ちにして人格者。

その人間性を支持されて大統領に就任し、アリスカをエージェントとしてこの天神学園に送り込んだ張本人。

「今は任務から解放されて、学園生活を満喫しているようだな。何よりだ」

ロシア大統領の言葉に。

「恐縮です」

アリスカは緊張したように深々と頭を下げる。

というのに。

「おお大統領、元気にしておるか」

鼓姫はメチャメチャフレンドリーに大統領に歩み寄ってきた。

無礼にも程があるぞ、このちびっ子。

「わしの娘を泣かしたら承知せんぞ、このオッサン」

バチンと大統領の尻を叩く鼓姫。

普通ならこの時点で国際問題かもしれない。

が、器の大きい大統領は。

「ははは、手厳しいなドクターコヒメ」

笑ってスルーしてくれたのである。

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