天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
(尾行してたの、ばれてるっ?)
物陰に身を隠すルイ。
ヴァースキは振り向く様子も、気づいている様子もない。
ただ、ひたすらに語り続ける。
「ヴァースキとは言った通り、インド神話における呼び名でな。日本に伝来した時はその名を『九頭龍大神』という」
一体誰に語りかけているのか。
ルイ?
独り言?
それとも…。
「…!…」
ルイが思わず息を飲む。
体育用具倉庫の屋根から、陰から、大柄な人外が身を乗り出してきた。
人外ならば天神学園にも存在するが、ここに現れたのは、そんな人間然とした姿のものではない。
灰色の体毛に覆われ、赤黒い肌を持ち、頭部に一対の角を持つ真紅の眼の化け物。
そのような人外は、一般的に伝承や言い伝えの中では『鬼』と呼ばれた。
物陰に身を隠すルイ。
ヴァースキは振り向く様子も、気づいている様子もない。
ただ、ひたすらに語り続ける。
「ヴァースキとは言った通り、インド神話における呼び名でな。日本に伝来した時はその名を『九頭龍大神』という」
一体誰に語りかけているのか。
ルイ?
独り言?
それとも…。
「…!…」
ルイが思わず息を飲む。
体育用具倉庫の屋根から、陰から、大柄な人外が身を乗り出してきた。
人外ならば天神学園にも存在するが、ここに現れたのは、そんな人間然とした姿のものではない。
灰色の体毛に覆われ、赤黒い肌を持ち、頭部に一対の角を持つ真紅の眼の化け物。
そのような人外は、一般的に伝承や言い伝えの中では『鬼』と呼ばれた。