天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
「さて、仕込みも終わった」

ヴァースキは踵を返す。

「いつまでも屋台を空けているのも他の図書部員に悪い。戻る」

一人スタスタと歩いていくヴァースキ。

その手には白い皿に載った、細切れの鬼の肉。

「っ……」

ルイは顔を顰める。

ぞっとしない話だ。

幾らあの鬼を退治して、病の元凶を断ったとはいえ、とてもあの肉を食べる気にはなれない…。

「ねぇヴァースキ、それどうするの?」

ルイは訊かずにはいられない。

「売り物にはしないんでしょ?ならその肉どうするつもり?」

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