天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
などと注目の出し物に目を通していると。

「おやアリスカ、もう男性客の慰み者からは解放されたのかい」

聞こえの悪い表現をしながら、弁髪を揺らして窮奇が歩いてきた。

「慰み者じゃないっ、メイドっ」

「男性客には絶対服従、何を言われても言いなりにならなければならないんだろう?そういうのは『下僕』或いは『慰み者』っていうのだよ。ああ、君の愛しの啓太が聞いたら泣き崩れるだろうね。アリスカが見ず知らずの男達に寝取られたと知ったら…」

ギワァッと口端を歪めて愉悦する窮奇。

これで風紀委員長だというのだから、風紀委員会は一度改革が必要なようだ。

「そんな事よりっ!」

これは危ない。

アリスカは強引に話題を変える。

「窮奇こんな所で何油売ってるのよ。風紀委員長がフラフラしてちゃ駄目でしょ?」

「あれ、我に指図するのかい?前みたいに我の権限で愛用のドラグノフ狙撃銃を丸一日没収したっていいのだよ?いやぁ、銃を取られた君の顔ったらなかったねぇ、不安に震えるアリスカの表情は、実に嗜虐心を煽ったよ」

全く。

煮ても焼いても食えない男だ。

< 62 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop