天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
「と、冗談はさておき。誰か知り合いがいないかなと探していたのだよ」

窮奇はポケットから二枚のチケットを取り出す。

『ラビ・アシュミールライブ2011』と書かれたチケット。

文化祭のパンフレットにも書かれている。

間もなく開始する体育館での音楽イベントだ。

「我が龍娘女史誘って、狂乱のドサクサに紛れてヤっちゃってもいいのだけれど、ほら、我、風紀委員長として取り締まりがあるだろう?ライブに行ってる暇ないのだよ。アリスカにあげるから、啓太でも誘って二人でヤっちゃってよ」

「ヤっちゃわない!それに啓太も自分のとこの出し物で忙しいわよっ!」

でもまぁ折角だしと、アリスカは窮奇から二枚のチケットを受け取る。

「我に感謝したまえよ、なかなか手に入らないプラチナチケットだよ?」

口端を引いてニヤリと笑いながら。

窮奇は手を後ろに組んで渡り廊下を歩いていった。

< 63 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop