天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
いつものボサボサ金髪は何処へやら。

バッチリ決めていささかチャラい印象さえ感じさせる髪型でラビが登場する。

ステージ衣装も、まるでハードロックかヘヴィメタかといった趣。

なのにギターはアコギ。

イマイチ統一感がない。

…ステージ中央に準備された椅子に腰掛け、ギターを膝に乗せ、スタンドに設置されたマイクに、少し掠れた甘い声で語りかける。

「皆…今日は俺のライブに来てくれて有り難う…嬉しいぜヴェイヴェェエェ!」

ラビのシャウトに、オーディエンス…特に女子生徒達が黄色い歓声をあげる。

「さぁ…早速始めるぜ…もう暖気はOKかい?」

「「「いえぇえぇええぇえいっ!」」」

「OKかい!」

「「「いえぇえぇええぇえいっ!」」」

「声が小さい!もういっちょOKかい!」

「「「いえぇえぇええぇえいっ!」」」

「おいっすぅっ!」

「「「おいっすぅぅぅぅぅっ!」」」

「おいっすぅっ!」

「「「おいっすぅぅぅぅぅっ!」」」

…何やらドリフの様相を呈してきた。

終いには。

「おいっすぅっ!」

「「「おいっすぅぅぅぅぅっ!」」」

「うるせぇえぇえぇえぇええぇっっ!」

自分から煽っておいて、ラビはキレた。

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