天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ
「テンジンジャー!」

「テンジンジャーだぁっ!」

鬼から半べそで逃げ回っていた子供達が歓声をあげる。

子供連れの親達もホッと胸を撫で下ろす。

あの鬼が、学園の文化祭のヒーローイベントか何かだと思い込んだらしい。

「テンジンジャーが来たからにはもう安心よ、皆、早く安全なところへ!」

鬼の前に立ち、オーバーな身振り手振りで言うルイ。

「ねー」

そんな彼女に一人の子供が言った。

「何でピンクだけなの?レッドは?ブルーは?イエローは?グリーンは?」

それは言わない約束である。

「う゛…」

言葉に詰まるルイ。

『大人の事情』という奴を、子供は理解してくれない。

仕方なく。

「レ、レッド達は別の場所に現れた怪人達の所に向かったわ!ここは私が任されたの!」

「そうかぁっ!」

アホ…いや、純真な子供達は、素直にルイの言葉を受け止めてくれた。

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