届かぬ想い。叶わぬ願い。
「“俺っ、ずっと菜那が好きだったんだ……
だからっ……
そのっ優衣にも手伝ってほしい……”」
そう告げた彼は、
とても真剣な顔をしていた事をとてもよく覚えている。
多分…私は彼の気持ちに気付いてたんじゃないかと思う。
だからなのか涙が流れる事も、
反発の言葉が出る事も無かった。
だって……
彼の瞳に映っていたのは
私じゃなくて、
いつも私の隣にいる
私の大事な親友の“菜那”が映っているって事。
分かっている自分が居たから……
こっちを見ている様で
実際は全く私なんて映っていなかったんだ……。
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