届かぬ想い。叶わぬ願い。
全て分かっていた自分がいて
何故だか自分が哀れに思えて笑えてきてしまった。
『“やっぱりそうか…!”』
と私は必死に笑顔を作った。
「“えっ……?
お前、気付いてたのか?”」
とさっきまで頭を下げていた慧が驚いたようにこっちを向いた。
『“付き合いなめんなよ?”』ニッ
と慧に向かってはにかんでみせる。
「“マジかよ…
やべぇ俺今チョー恥ずいんだけど
っつかお前、いつから気付いてた?”」
『“ん~どうだろ…
中学の後半くらい……かな”』
「“マジかよ…!
俺分かりやすいのか?”」
と、かなり焦った様に聞いて来る
『“さぁ?
他の人は多分気付いてないんじゃない?”』
そう言うと慧は肩の力を抜き
「“そか。なら良かった。”」
と、あからさまに安堵した。
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