届かぬ想い。叶わぬ願い。
「“じゃあ何で優衣は気付いたんだ?”」
と聞かれたくなかった質問を投げ掛けられてしまった。
『“………何でだろうね。”』
と言葉を濁し少し俯く。
そんなの決まってるじゃない。
だって……私はずっと慧の傍に居たんだから…
するとどうしたのかと慧が私の顔を覗き込んできた。
「“どうした?”」
いきなりの事だったので咄嗟に顔を背ける。
『“ううん!何でもない!
あっ、友達の勘ってヤツじゃない?”』
と、噛み合っていないぐだぐだな返事になってしまった。
「“何だよそれ”」笑
『“もう何でも良いじゃん!”』
「“良いのかよ。”」
『“良いの良いの!
もうこの話は終わり!”』
と、言い強引に話を終わらせる。
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