届かぬ想い。叶わぬ願い。


尚斗の一言で少し楽になれた。


分かってたけど。

でも、やっぱり素直に受け入れられない自分がいて。


辛くなった私は家に帰った後も、ずっと声を殺して泣いてた。




そんな事があってから1週間ほど過ぎたある日――。



突然のお父さんの転勤で慧はその数日後この地を離れ北海道へと飛び立つ事になった。


そして。

私達が空港まで見送りをしに行った日。



「“、ケイ…”」


菜那は大粒の涙を流していた。



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