神さん
「痛ーい!」
涼子は一緒に倒れた椅子に隠れるように男を見上げた




「……あのー。泥棒ですか?変質者ですか?それとも神様ですか?」



男は空中に浮かんだまま怪訝な顔をして苦笑した。



「その三択おかしいよね?神様ってそんなジャンルに含まれないでしょ!?」



男は自転車からおりた。

そしてゆっくりと涼子の前に降りてきた。



「えっ?神様なんですか!?なんかちょっとショックだなー神様はもっと布とか巻いてるイメージなのに」




男はニコッと笑って転んだままだった涼子に手を差し出した。




「神様か、そこまではいかないかな。どちらかと言えば……きっと神さんかな。」




男はそういうと涼子の服についたゴミをを優しく払った。




「なんで優しくしてくれるの?私、神様とか信じてないし、社会貢献してないし、学校嫌いだし。」





「何を信じるのかは君の自由だよ。ただ…信じられるものがひとつもないのはさみしいよね。」





男はまたニコッと笑って壁の中に消えていった
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