えみだま
7月
運勢と実力
球を打つのは楽しい。
打った球が思った通りの方向に飛ぶのも楽しい。
打たれた球を打ち返すのも楽しい。
返ってきた球を打ち返すのも楽しい。
普段の練習では、ただそう思ってただけだった。
今日は違う。
何故なら今日は練習ではない。
番手戦。またの名を部内戦。
6番手のオレにもチャンスはある。
リーグ戦式、1人5戦。
数日かけて行われる番手戦は、全員の口先は相変わらずでも、緊張ぐらいはするだろう。
試合の順が発表され、オレはコートに立つ。
この番手戦、部活内ではかなり意味がある。
まず、普段の練習のラリーが決まる。強い奴同士で打つことになるからな。
そして、大会のダブルスにも影響する試合。強い奴同士で組むことになるからな。
最初の相手は野口か。
「ラケット傷付くの嫌なんだよなぁ」
「オレもだよ」
「お前のもう傷あるだろ」
「野口もあるだろ」
何の話かと言うと、試合前にやるサーブ決め。
1人がラケットを回して、そのラケットが倒れるときに上に向く面をもう1人が予想する。当たった人が、サーブ、レシーブ、コートを選べる。
その時のラケットをどっちが回すか検討中。
「こうなったら…審判、どっちのラケットが傷ついてると思う?」
「私の心かな」
「「何があった?」」
コート横にある審判台に座るのは、天音さん。
「仕方ねぇな。俺がやるよ」
「さっすが泰稔、ココが出来てる」
隣のコートでは岩田と佐野が試合。ってもうコートチェンジ?
ゲーム数は1-0。岩田が先取。
「やるか。フィッシュ?」
「それ魚」
「フィッチ?」
「裏の裏で」
「スムースって言えよ」
ボケとツッコミをかわりばんこに軽い会話をし、野口が縦にしたラケットを回す。
「さらに裏をかいたようだ。悪いな」
野口は何故か嫌みに言う。腹立つな。
「スマッシュで」
「サーブだろ」
「いや、レシーブで」
「そっち?」
野口はボケ始めると、わからなくなる。
頭痛からの開始となってしまった。
負けた。
打った球が思った通りの方向に飛ぶのも楽しい。
打たれた球を打ち返すのも楽しい。
返ってきた球を打ち返すのも楽しい。
普段の練習では、ただそう思ってただけだった。
今日は違う。
何故なら今日は練習ではない。
番手戦。またの名を部内戦。
6番手のオレにもチャンスはある。
リーグ戦式、1人5戦。
数日かけて行われる番手戦は、全員の口先は相変わらずでも、緊張ぐらいはするだろう。
試合の順が発表され、オレはコートに立つ。
この番手戦、部活内ではかなり意味がある。
まず、普段の練習のラリーが決まる。強い奴同士で打つことになるからな。
そして、大会のダブルスにも影響する試合。強い奴同士で組むことになるからな。
最初の相手は野口か。
「ラケット傷付くの嫌なんだよなぁ」
「オレもだよ」
「お前のもう傷あるだろ」
「野口もあるだろ」
何の話かと言うと、試合前にやるサーブ決め。
1人がラケットを回して、そのラケットが倒れるときに上に向く面をもう1人が予想する。当たった人が、サーブ、レシーブ、コートを選べる。
その時のラケットをどっちが回すか検討中。
「こうなったら…審判、どっちのラケットが傷ついてると思う?」
「私の心かな」
「「何があった?」」
コート横にある審判台に座るのは、天音さん。
「仕方ねぇな。俺がやるよ」
「さっすが泰稔、ココが出来てる」
隣のコートでは岩田と佐野が試合。ってもうコートチェンジ?
ゲーム数は1-0。岩田が先取。
「やるか。フィッシュ?」
「それ魚」
「フィッチ?」
「裏の裏で」
「スムースって言えよ」
ボケとツッコミをかわりばんこに軽い会話をし、野口が縦にしたラケットを回す。
「さらに裏をかいたようだ。悪いな」
野口は何故か嫌みに言う。腹立つな。
「スマッシュで」
「サーブだろ」
「いや、レシーブで」
「そっち?」
野口はボケ始めると、わからなくなる。
頭痛からの開始となってしまった。
負けた。