Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「…陽依、そんなに泣くなよ。」
棗さんに頭をぽんぽんとされて、涙は堰を切ったように溢れだした。
「わたしっ…私、酷い人間なんです…」
私の声に、戸惑ったように首をかしげる棗さん。
「私…釉梨さんの死を悼んで泣いてるわけじゃないから…。」
「…え?」
「私…、話を聞いた時、『あぁ、じゃあ、夕都の心は一生釉梨さんのモノなんだ』って、思ってました…。だから私…自分勝手なことしか考えられなかった…!!」
あの時…
本当は、15歳で亡くなってしまった釉梨さんへの哀れみとか、残された皆の心の痛みとか、そういったことを考えなきゃいけないはずだった。
なのに私は…
どんな内容よりも、夕都の口から『釉梨さんは恋人だった』と聞かされたことにショックで…。
「私は…ヒドイ人間なんですっ…なんて嫌な人間なの…!!」
自分のことしか考えられない私がイヤで、自己嫌悪に陥る。
そんな自分が惨めで悔しくて…
私は叫ぶように言ったあと、ぎゅっと唇を噛み締めた。