Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「珍しいですね、高等部の校舎に来るなんて。」
私が首を傾げながらいうと、樹さんはなぜか得意げな顔をした。
「…実は、陽依ちゃんをcacchetteに特別ご招待しようと思って。」
「え…?」
「樹シェフが腕によりをかけて作る創作イタリアン、お店に食べにこない?」
樹さんがいたずらっ子のように片目を瞑って、人差し指を立てて言う姿がとてもサマになる。
あまりにも魅惑的なお誘いに、私は二つ返事で頷いた。
「じゃあ行こ。車出すから一緒に乗ってって。」
そう言われて半ば強制的に乗せられた車がBMWで、さらに私を驚かせた。
ハンドルを切る樹さんの姿に、意識とは関係なくドキドキと胸が騒ぐ。
…バックするときに助手席の頭のところに腕をおいて後ろを見る姿には、胸が撃ち抜かれたような気がした。
…樹さんは、やっぱり大人だ。
樹さんのお店に着いた時には、私は違う意味で疲れていたのは、言うまでもない…。