Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜




そして、放課後。
今日はずっと図書館へ行くのを楽しみにしていたからか、割と早く時間が過ぎた。




「陽依は帰るの?」

華に尋ねられて、私はううん、と首を振る。


「図書館に寄ろうと思って。一緒に行く?」



軽く冗談を交えて笑うと、華は盛大に顔をしかめながら言う。

「やーよ、図書館とか、私にとっては拷問同然だもん!」




華の言葉に吹き出しながら、私はカバンに荷物を詰めた。

「じゃあね華、また明日。」



華に手を振って、掃除を終えた教室を出た。

いったん高等部の校舎を出て、図書館に向かう。
図書館は別館で、二階建ての立派な造りになってある。




…着いた。
そこには荘厳で重そうな木製の扉がどっしりと構えていた。

おそるおそる押してみると、意外にもすんなりと開く扉。



…1人で入るのは初めてだから、少し緊張するな。

ドキドキと無駄に脈打つ胸をそっと押さえて、私は足を踏み入れた。








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