Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「…釉梨も、好きだったよな、夏蜜柑のジュレ。」
しばらくのんびりとジュレを味わっていると、遥季がぼんやりとそんなことを呟いた。
「あ…、わりぃ…。」
少しの沈黙を察して、遥季が気まずそうに謝った。
「…ねぇ?みんながよかったら、なんだけど。釉梨さんがどんな人だったのか、聞きたいな…。」
私が言うと、向かいに座っていた夕都の視線が私を捕えた。
「…陽依には、知っていてほしいと思う。」
夕都の言葉に同意するように、他のみんなも深く頷いた。
「…釉梨は…寂しがりで、泣き虫で…。だけど、強いヤツだった。」
私の向こう側に広がる庭を見るように視線を動かしながら、夕都はゆっくりと語りだした…──。