Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「…っもう、やだ…」
醜い涙なんて、好きな人に見られたくない。
私は必死に夕都から顔を背ける。
「陽依。」
「…っや、」
腕をほどこうとする私の名前を呼んで、いつもは遠慮がちな夕都の手が、強引に私を引っ張った。
「陽依、落ち着いて。…嫌な思いさせてごめん。でも…」
ぎゅっと私を抱き締める体温。
いつもより強引な腕。
いつもより饒舌な口調。
いつもより強気な語尾。
…いつもの、夕都の香り。
…好きだから、そのままでいてほしい。
…好きだからこそ、抱き締めないでほしい。
二律背反の想い。
一体自分が何を望んでいるのか…
自分でも、自分の気持ちが分からなかった…──。