Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
王子達の誘惑!?
4.王子達の誘惑!?
あぁ…。
想像してたけど…。
してはいたけどね?
「やっぱこれはないよなぁ〜…」
ベッドの上でパジャマ姿のまま、鏡を見つめてため息をつく。
昨日号泣したせいで、まぶたが真っ赤に腫れている。
夏休みでよかった…。
もう一度鏡を見た瞬間、ドアが開いた。
「おはよーひよりん♪」
顔を覗かせたのは…
「たたたたっくん!!ちょ、いきなり来ないで!っていうかパジャマのままだから出てって!!!」
私は布団を掻き合わせると、たっくんに必死に訴える。
「はいはい、気にしなーい♪」
私の訴えに耳を貸さず、たっくんはずかずかと私の部屋へ侵入してくる。
「ねぇったっく…ぶっ」
まだ抵抗を試みようとした瞬間、目に何かを押し付けられた。
「…ほら、冷やして。」
たっくんの声が急に真剣なものになって、冷たいタオルが優しくまぶたに触れる。
「…樹くんが朝食作ってくれたしさ、食べよう?」
「…ん、ありがとう…。」
タオルをまぶたに当てながら、そっと目を開けると、サイドテーブルには樹さんお手製のフレンチトーストが置いてあった。
「はい、ひよりん。口開けて?」
「…え?」
「あーん♪」
「むぐっ…」
有無を言わさず口にフレンチトーストを放り込まれる。
「…ふはっ!」
もぐもぐと口を動かしていると、たっくんが吹き出した。
「はひほぉっ!」
なによ、と言いたいのに、言葉にならない。それを聞いたたっくんが、また吹き出した。