Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
はぁ…、もう、S寮のみんなは自分が目立ってるってことをもっと自覚すべきだよ!!
こんな人達のそばにいたら、心臓いくつあっても足りない!
私がそっとため息をついた、ちょうどその時。
「陽依お嬢様、紅茶のおかわりは如何ですか?」
そう言うなり、遥季の紅茶を私の目の前に置いて爽やかに微笑む棗さん。
「え…!?」
棗さんってば、変な所で対抗意識燃やしてるし…!
…なんて分かってても、無駄にキラキラした笑顔を見せられちゃドキドキしないわけがない。
まわりからはさらなる歓声が上がるわ、羨望の眼差しが痛いやらで、私はもはやプチパニックだ…。
「陽依お嬢様、口あけて?」
「な…っ」
「…美味し?」
遥季がフォークを私の口に運ぶ。
そのあと、遥季とは思えない程の艶っぽい微笑みを向けられて、私はむせそうになるのを必死で堪えた。
「…陽依お嬢様、唇にケーキついて…」
棗さんがそう言って私の唇に触れた瞬間、私の中で何かが切れた…──。