Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
そして、午後7時の鐘がなる頃、私たちはS寮へ帰ってきた。
「おかえり、陽依ちゃん。…今日は皆にひっぱり回されたんじゃない?」
夕食の用意をしてくれていた樹さんが、私の隣にいる遥季と棗さんを見て笑う。
「…疲れました。」
私が言うと、樹さんは可笑しそうにまた笑う。
「ほんと、みんな陽依ちゃんが好きだよなぁ。…なんつ言う俺もだけど。」
樹さんはそう言って悪戯っぽく私にウィンクした。
…そう。
朝たっくんが部屋まで来てくれたのも。
竜くんが技を見せてくれて、話をしてくれたのも。
棗さんが個展に誘ってくれたのも。
…遥季が執事の真似したのはビミョーだけど。
きっと全部、私を励ましてくれるためだ。
釉梨さんと…
夕都のことで、落ち込んでるって分かってくれていたんだ。
…ほんとに、優しいみんな。
何をいうでもなく、たくさんのモノをくれるS寮の王子様達。
私は、世界一の幸せ者だなぁ…。
そんなことを思いながら、私は食卓についた…──。