Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
夕食を食べて、お風呂に入ったあと、涼むために部屋から続くベランダにでると…
隣のベランダに夕都がいた。
夕都の部屋は隣だから、柵越しにベランダが並んである。
「あ…、邪魔しちゃった?」
私が極力いつも通りに言うと、夕都は静かに首を振った。
「…大丈夫。」
「そう…。」
すぐに帰るのもあからさまな気がして、私はベランダにいることにした。
「…みんなと、どっか行ってきたの?」
ライトアップされた噴水に視線を落としたまま、静かに夕都が言う。
「あ…うん。棗さんの個展とか…あと、遥季と棗さんとカフェ行って…。」
私も同じように噴水に視線をやりながら答える。
「…陽依、」
カチャン、と柵のぶつかるような音と一緒に、私を呼ぶ声が響く。
柵越しに腕を引っ張られる。
ガシャン、という鈍い音と共に、一瞬だけ夕都の怖いくらい真剣な表情が見えたかと思うと、もう夕都が見えなくなった。
…そして、
唇に熱が触れる。
「ふ、ぁ…」
なに、これ…
頭がクラクラして、何にも考えられなくなる。
ひどく柔らかくて、とろけそうなほど甘い感触。
「…ん、ゆぅ…っ」
夕都の唇が、私が言葉を紡ぐ事を阻止して。
このままでは立っていられなくなる気がして、私は柵越しの夕都のシャツにしがみつく。
…今までに感じたことのない、熱だった…──。