Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜



S寮に戻ると、もうすでに夕食の用意がされていた。



「…ただいま。」

私が言うと、みんなが振り返る。


「おせーぞ陽依!」

「はやく食べよ?」



遅れたことを謝りながら、私は自分の席につく。
今日の夕食は、秋刀魚の塩焼き。
美味しそう!

みんなも私が席についたのを見ると、それぞれおかずに手を付けだした。





「…あれ、夕都は…?」

…今日は、夕都がいない。
ぽっかりと空いた夕都の席を見ながら、私は尋ねる。



「…なんだか忙しいのかな、これからしばらくは夕ご飯いらないって。」

樹さんが少し困ったように微笑みながら言う。



「…そう…。」




そういえば、最近は授業中もずっと、ぼーっとしてるか寝てるかだし…。
なにか、あるのかな…?



「陽依?」

前に座る棗さんが、お箸を止めたまま停止する私を不思議そうに見る。



「ちょっと、ぼーっとしちゃっただけです。」

私は慌てて秋刀魚を口に放り込んだ。




そんな私を見て、少し複雑そうな顔をした後、棗さんは静かに口を開いた。


「…俺も、出るから。」

「…え?」

「『Pansee time』に。」





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